新田真矢子 キューバへの想い 全文
皆さま、初めまして。
私は新田真矢子と申します。
将来、発展途上国や難民キャンプ等現場で医療活動がしたいと、
実践主義を貫き、さらに地域医療に力を注ぐキューバへ医学部留学をした者です。
キューバで過ごした7年弱、様々な出合いがありました。
診療所や訪問医療の現場で患者さんの協力も得て、
実習の場を提供してくれた先生方やレジデント。
日常的にライフラインが止まるキューバでの生き残り方を伝授してくれたキューバ人家族。
彼らの助けがなければ、7年弱という期間は乗り越えられなかったでしょう。
彼らに出逢わなければ、こんなにキューバを好きになることもなかったでしょう。
キューバへ足を運ばれたことがある方々は、当時どんな印象を持たれましたか。
どこからともなく聞こえてくるラテン音楽、急に踊り始める老若男女。
道端でのんびり葉巻をふかし、ドミノに明け暮れるおじいさんたち。
世間話でガハハハッと盛り上がる関西風のおばちゃん。
真っ赤な夕陽に染まった海で過ごす若者。
みなさんはどんなイメージですか?
2021年、私が今後の準備のためキューバへ再訪問し、
そこで目の当たりにした笑顔の先には
疲弊の表情が潜んでいました。
そして聞こえた心の叫び。
物資の滞りがさらに激しくなったコロナ禍、
その日の食事さえままならず、ストレスや怒りの限界に近付く危機感。
ハバナでは朝早くから生活物資を求め、
“買えるかどうかも定かではない”お店に
何時間も並び続ける人々の姿がありました。
医療現場に立ち続ける友人から聞こえたのは悲痛な声。
「せっかく医師になったのに医療すらできてないんだ。処方箋を書いても薬局に薬がない。」
「入院できる病床もない。何もできないから帰ってもらうしかない。」
さらに出産を経験したばかりの友人も訴えます。
「ミルクがないの。小児科病院や産婦人科病院でさえ。」
「妊娠中の高血圧や糖尿病の治療薬もない。抗生物質や解熱鎮痛剤まで」と。
現在、新型コロナウイルスの感染者数は減少しているものの、
物資不足は続き、地域の診療所で適切な医療を受けられない状況が続くキューバ。
産まれくる赤ちゃんのため、お父さんはおむつや粉ミルクを探し求める日々。
お母さんは出産後、ひどい感染症に苦しみました。
少しでも多くのお母さん・お父さんが安心して赤ちゃんを育てることが出来るように。
彼らを想うことは出来ても、一人で出来ることは限られています。
彼らの“声”を、皆さまに伝えることしかできません。
キューバへ足を運ばれたことがある方々も、どうか共に声をあげていただけませんか。
どうか一人でも多くの方々へ、あまり日本に届かないキューバの現状が伝わりますように。
世界中で大変な状況が続いていますが、
どうか皆さまのお力を貸していただけませんか。
よろしくお願い致します。
新田真矢子
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